アフロ日記

日々の記録を、つらつらと。

W杯とネタバレ電話

W杯の決勝を見た。見た人は口々にいうだろうが、まぁすごい試合だった。

個人としては、サッカーを普段見ることはないし、決勝のアルゼンチンとフランスも両者の10番を知っているくらいの者である。

そもそもテレビのない生活をしているので、オリンピックにしろ、ドラマにしろ、地上波でやっているものは大抵、見れないと考えていたので、今回のW杯もYahooニュースで見るくらいだろうと思っていた。

ただ、11月に友人が家に泊まりに来て、Abemaでもリアルタイムで放映しているよと教えてくれた。自宅には昨年プロジェクター&アマゾンファイヤースティックの組み合わせがあり、かなり良い環境でサッカーが見れるじゃないか!となり、日本がドイツに逆転勝ちしたということも相まって、日本戦を見るようになった。

ただ、今回のW杯は、ことごとく日本の負け試合(コスタリカクロアチア戦)しか見れなかった。スペイン戦も後半から見ようかと思っていたが、睡魔に負け、趣味の釣りの予定もあり、後半80分くらいから見たら、すでに逆転しているという展開。日本の勝利という嬉しいものであったが、サッカー観戦としては、残念な結果であった(周りにも何人か同じ状態の人がいたのは、どこか慰められたが)。

 

さて、そんな状態でのW杯だった。僕の生活としては、基本、日曜日が仕事のピークなので、月曜日にかけては少しゆっくりできる。正直、日本戦の逆転劇を見れなかった以上、今回のW杯の試合はあれ以上の盛り上がりはないだろうとどこか思っていたが、決勝は24時からやってくれるということで、最後見ようかと思えた。

その決断が本当に良かった。

 

ここからタイトルにある「電話」が絡んでくるのだが、

今一人の人とお付き合いをしている。ただ、遠距離である。飛行機でないといけない距離感の中で、一緒に楽しい時間を共有したいと兼ねてから考えていた。

W杯は一人で見る予定だったが、ちょうど仕事終わり電話している中で、相手も月曜日は午後からの仕事ということがわかり、一緒にW杯を通話しながら見る流れになった。

やはり祭り事は、誰かと一緒の方が面白い。互いに一回電話を切って、W杯に備える。

僕は2時間程度の仮眠をとり、プロジェクターを点けた時には数秒始まっていた。とりあえず、ほぼ誤差程度で寝過ごさずに見始めれたと安堵しつつ、相手も起きているか連絡して、通話も開始。

そこで、相手は地上波NHKで見ているということが発覚。そして、その時差は1分ほどあった。相手が1分早い。相手は前半10分台の映像を見ていれば、僕はまだ前半9分の場面を見ているのである。ここから3時間におよぶ、壮絶なネタバレとの戦いが始まった(今考えると、仮眠前に、大好きなM-1をテレビがないので僕は見れない、興味のない相手は見れる状態で、「ネタだけでも YouTubeで見るからバラさないで」という状況があったことは、かなりふりの効いたことだった)。

 

W杯の話に戻るが、決勝は、本田圭佑の影響で、メッシがいるアルゼンチンを応援しようと二人でなり、見始めた。電話先で、「おぉ〜」となるたびに、アルゼンチンのいいプレーがあったことがなんとなくわかり、「うぅー」となれば、フランスのいいプレーがある。

相手の声があった後、1分経って、僕も「おぉー」となり、「うぅー」となる。そこでやっと通話相手も、「惜しかったね」とか「あぶなかったね」とやりとりができる。

 

前半23分、歓喜の声が通話先から先に聞こえる。ネタバレが過ぎると思いつつ、その1分後、メッシがPKを決め、嬉しい展開。ただあまりにのバレバレのリアクションに、もう少し声を抑えてと試合が進む。だんだん何かが起こる前触れに、相手が沈黙になる。沈黙は沈黙で、何かを語る。

もうどうしようもないなと思いながら、相手にも喜びたいのに喜べない、叫びたいのに叫べない多大な負荷をかけながら、後半80からのエムバペの無双状態に突入。相当我慢がいる展開。

アルゼンチンを応援している二人にとっては、こんなに何度も喜びと焦りが繰り返される展開はない試合だった。そして通話の先では別の戦いも最後は、延長PK戦で、メッシがPKもしっかり決め、アルゼンチンが勝利するという最高の終わり方で締め括られた。

 

僕にとって、2022年のW杯は、「日本の負け試合だけを見た大会」から、「いつでも思い出すことだろう最高のワクワクを与えてくれた大会」になった。

備忘録の意味も含めて、興奮冷めやらぬ中ブログ更新。

 

 

 

最後に、本田圭佑が、アルゼンチンのトロフィーリフトの時に、

メッシに着せられた黒いガウンを見て放った言葉を記して終わる。

「ちょっと視点が違くて…あのガウン脱いだほうがいいんちゃう?」

解説、最高でした。